死後離婚とは?|メリット・デメリットを具体的に解説

死後離婚とは? メリット・デメリットを具体的に解説
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「死後離婚」って何?

夫(妻)が亡くなった後、夫(妻)の親族関係(義両親、義兄弟など)と縁を断つことを「死後離婚」ということがあります。夫(妻)とは死別なのですから離婚という言葉を使うのには少し違和感があるのですが、言葉のインパクトから「死後離婚」という言い方が定着しています。

「死後離婚」とは正確には「離婚」ではなく、配偶者との関係にも実子との親子関係にも影響はありません。

手続きとしては「姻族関係終了届」を届出人の本籍地または住所地の市区町村役場に提出して、亡夫(妻)の親族との関係を断ち切ることで戸籍上の変化はありません。(身分事項欄に「姻族関係終了」と記載されますが姓と戸籍はそのまま継続します。)姻族関係の終了により、姻族に対する扶養義務を負うことはなくなります。

「姻族関係終了届」と提出する際の主なチェックポイントは・・・


・苗字は変わらない(変えたい場合は別途、氏の変更手続きが必要)
・子どもと義両親、義兄弟の関係は変わらない

・配偶者親族の同意は必要ない
・婚姻の事実は無くならないため、遺産の相続権や遺族年金は受け取れる
・終了した姻族関係を復活させることはできない

この手続きを利用するのはほぼ100%女性とのことですので、女性が夫の死後「姻族関係終了届」を提出するケースを考えてみます。

どのような理由で届出を出すのでしょうか。

「夫の死後数年たったけれど、義両親の介護で心身がつらい・・・」
「義兄弟を扶養するせいで家計が厳しい・・・」
「夫側のお墓に入りたくない」
「法要を行うという道義的な義務から解放されたい」

など主な原因は「介護」「遺産トラブル」「不仲」「お墓」と言われています。
近年、「死後離婚」についてたびたび話題になるのは、戦前の家制度への意識が残っている世代とそうでない世代の差があるからかもしれませんし、

妻は”家に入った嫁”という考え方に意味を感じなかったりする人が増えているからかもしれません。

死後離婚(姻族関係終了届)のメリットとデメリットとは?

死後離婚(姻族関係終了届)のメリット

死後離婚のもっとも大きなメリットは、義理の両親等への介護や扶養の義務がなくなることです。
死後離婚しなければ、義理の両親等と同居していれば扶助義務がありますし、同居していなくても事情によって扶養義務を課されます。 死後離婚をすれば、扶養する必要はなくなるのです。

義両親等との同居が続いて苦痛な方で、 自分から同居解消を言い出しにくい方、将来義両親の介護の負担が及ぶのを恐れている方は、死後離婚すれば、通常は同居を解消する流れになります

生前、夫との関係が良くなかった方は、精神的に夫との関係を断ち切れます。お墓参りや法要にも参加しなくてよくなり、ストレスを軽減することができるでしょう。 

死後離婚しても遺産は相続できます。

死後離婚しても遺族年金はもらえます。

夫が死亡し、妻が「祭祀承継者」となってお墓や仏壇などの祭祀財産を承継して管理しなければならない場合、死後離婚すれば通常は祭祀承継者にならないので、夫や夫の親族のお墓や仏壇などを引き取ったり法要を開いたりする必要はなくなります。 

死後離婚(姻族関係終了届)のデメリット 

死後離婚すると、子どもとの関係が悪化するケースがあります。子どもが「なぜわざわざ死後に、お父さんへの嫌がらせのように離婚するのか?」と悪く受け止める可能性があるからです。

夫の親族との関係が良くなくても、夫自身へ悪感情を抱いていない方が死後離婚すると、夫のお墓参りや法要への参加が難しくなる可能性があります。

姻族関係終了届を提出した後で子どもとの間でトラブルが起こったりして「やっぱり取り消したい」と考えたとしても、一度「姻族関係終了届」を提出すると取消はできません。

まとめ

夫や妻と死別した後、配偶者の両親等との関係性の悩みやトラブルを抱えている人は少なくないと思います。そうした悩みやトラブルを解決する方法の一つとして、「姻族関係終了届」の存在はぜひ理解しておきたいものです。

「姻族関係終了届」は、一見メリットが多い届出なのですが、一度終了させた姻族関係を復活させることはできません。
義父母や義兄弟との関係を絶つことで、精神的な支えを失ったり、将来困った時に頼る人がいなくなったりするなど、不都合が生じる可能性もあります。

そうした後悔をしないようにじっくりと検討しましょう。


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